恋心ミルフィーユ

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ツイッターじゃ吐ききれない妄言をまとめていくよ

今日はまだフツーになれない【今日はまだフツーになれない】

好きな漫画を紹介したい!

12月25日までを毎日少しずつ祝う企画『クリスマスアドベント』。そんなオシャイベントに則り毎日私が好きな漫画について語っていきたいだけの企画、それこそが『マトイリクリスマスアドベントでございます。

twitterが死にmisskeyで新たな出会いが多くなってきた今、改めて私のことを知ってもらいたい、あわよくば作品を布教したい!の気持ちで軽率に始めるこの企画。12月6日の今日紹介するのは『今日はまだフツーになれない』です。

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今日はまだフツーになれない (全1巻)

一迅プラス https://ichijin-plus.com/comics/2417592614976

あらすじ

かわいい女の子が好きなフリーター・高橋(27歳)と、マイペースだけど繊細な漫画家・山下(27歳)。高校生活の終盤、就職も進学も志望しなかった二人は進路希望で居残りになって以来、一緒にいる。進学、就職、結婚…人生でたびたび遭遇する「フツー」に悩みながらも、なんだかんだ前向きに生きていく。女子二人。ゆるっと心に染みる、ちょうどいい関係。

『今日はまだフツーになれない』、もう説明不要!タイトルの通りです。世間に求められる「普通」に対して、順応できない2人。でも順応することだけが正しいとも限らない。人それぞれという言葉で片づけてしまえばそれまでだし、なんやかんや2人はこれでいいと思ってる。そういうお話。

コミックスとしては1巻でスッキリ終わっているため読みやすく、2人の独特の空気感がすごく読んでて気持ちいい。ぷかぷかと気持ちが宙に浮くような作品です。

 

ちょうどいい距離

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『今日はまだフツーになれない』、とにかくこの高橋と山下の距離感がとてもいいんですよね。無理に踏み込まない、だけど遠慮はしない。そういう二人。

空気を読むのが苦手という話をしたら「別に空気読まなくてもいいよ」と言う。来てもいいけど部屋汚いというと「座れれば別にいいよ」と答える。そんな二人。これは相手に気を遣って配慮するわけではなくそんなこと気にしないからどうでもいいってだけで言ってるのが、いい距離感よなぁ~って。

相手が空気読まないならこっちも気を遣わない。部屋が汚くてもゲーム出来れば別にどうでもいい。いい意味での無関心。

 

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互いに世間の普通がわからない、でもだからこそ普通から外れていても何も思われない。どうにか楽しく生きているんだからそれでいいじゃーんの精神、このゆる~いコミュニケーションで過ごす2人を見るのが結構クセになっちゃいます。同じ世界を生きているはずなのに、見える景色が違う、本当に人それぞれなんだなぁ~と。

なんてことない毎日がかけがえないのと大人は言うけれど、そのなんてこそなさがずっと詰まってる。なんにもないけどなんでもある。そんな1冊です。

 

普通じゃないことの難しさ

普通じゃない生き方って、実際難しいんですよね。多様性が受け入れられているとはいえ、まあ私も言ってしまえば世間の「普通」からは大分逸脱した生き方をしているわけで。だからこそこうやってフラフラ生きているようで実はフラフラ生きようと頑張っている姿にちょっと共感しちゃいます。
高橋は可愛いものが好きだから一生可愛く生きたいのに、職場のメイドカフェではいつの間にか最年長になってしまう。同僚も卒業してスーツを着るようになってしまう。漫画家の山下も年齢アドがどんどん無くなっていくし、漫画家になる夢を諦めるフォロワーも多くみている。そういう消費期限のある状態で尚ずっとあらがっていくのってすごい大変だから…。

 

だから実はフラフラ生きるってかなり強いんですよ。

芯を持って生きている。その強さが垣間見えるからこそ、2人の空間をとても安心して見れる。世の中に提示される普通が本当に正しいのかなんて誰にもわからない。でも今2人は幸せそうに生きている。それでいいんですよそれで。テキトーに見えて実は強さと自由も兼ね備えた物語なのでした。

 

今日はここまで

ブクログ https://booklog.jp/

ということで本棚に今日はまだフツーになれないを追加して、今日の回は終わりにします。

こんな調子で1000字くらいで作品を紹介していくので、よければ正月の暇なときにでも読んでみてください。読み終わった後にタイトルをもう一度見て咀嚼できる作品。全体を通しての完成度はピカイチなので是非~。

試し読み : 今日はまだフツーになれない - U-temo(著者)|一迅プラス