恋心ミルフィーユ

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ツイッターじゃ吐ききれない妄言をまとめていくよ

推しの解釈違いvs恋心【あげくの果てのカノン】

好きな漫画を紹介したい!

12月25日までを毎日少しずつ祝う企画『クリスマスアドベント』。そんなオシャイベントに則り毎日私が好きな漫画について語っていきたいだけの企画、それこそが『マトイリクリスマスアドベントでございます。

twitterが死にmisskeyで新たな出会いが多くなってきた今、改めて私のことを知ってもらいたい、あわよくば作品を布教したい!の気持ちで軽率に始めるこの企画。12月4日の今日紹介するのはあげくの果てのカノン』です。

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あげくの果てのカノン (全5巻)

BIGコミックBROS https://bigcomicbros.net/work/6225/

あらすじ

この世界の終末に、最初で最後の恋をした。

気鋭女性漫画家が描く無軌道SFラブ・ストーリー、開幕!!

地上のパティスリーで働く高月かのんは、高校時代の片思い相手・境先輩と偶然? 再会。相変わらず優しくてかっこいい先輩から、誕生日を祝ってほしいといわれるも、嬉しさとともに戸惑いを覚える。だって先輩は、わたしだけのものじゃないから――。

あげくの果てのカノン、ジャンルとしては『不倫×SF』という、まぁー文字列見ただけじゃなんにもわからないし全然面白さを感じない作品です。じゃあこの作品のどこが好きなのかというと主人公の恋心がめちゃくちゃしんどいところにあります。

一途な恋、そういってしまえば簡単なのかもしれないが、8年間積り積もった感情はもはや恋や愛を通り越して暴力となる。恋をしていることがアイデンティティになり盲目になる。そんな恋愛の美しさと気持ち悪さをどこまでも突き詰めていったのがこの作品です。

 

恋は盲目

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もうね、この作品はとにかく片思いの描き方がすごい。気持ち悪いくらいに描いている。

かのんは盗撮録音スクラップなんでもアリなのに、もはや粘着ストーカーのような気配までするのに、過激な行動に移そうとはしない。あくまでもただただ恋をしているというところに収めている。だからこそその溢れんばかりの恋がすんごくピュアで、でもそれは不倫であり罪悪感も孕んでいる。

私はこの作品はガチ恋粘着獣(スバル編)が好きな人なら好きになれそう~!って思ってるんですよ。

好きという気持ちをこじらせていたら向こうから声をかけられて、次第に勘違いしていく。粘は結構過激というか暴力も醜い行動もなんでもありな作品ではあるのでその方向性ではないですが、好きの方向性はかなり近いです。どこまでも純愛。でも男側が割とクズ。なのに好きになっちゃう。前に進めば破滅しかないのに脳がぽわぽわで破滅ルート行っちゃう。そんな感じ。

伝わらない?伝わらないね。でもとりあえず1話を読んでみてほしい。わかるから!

 

SFのスパイス

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そしてこの作品はSF要素もあります。まああるといっても深くは考えなくていいです、そんな重要じゃないので。大事なのは、「修繕」によって先輩の人格が日に日に変わってしまうということ。

私の好きな先輩は私に声をかけないのに、今の先輩は声をかけてくれる。肉を食べるようになる、優しい言葉をかけてくれる、結婚しているのに迫ってくる。どれもこれも「修繕」によるものなのに、そうだとわかっていても避けることなんてできやしない。テセウスの船と同じ、パーツをすべて置き換えた船は元のものと同じと呼べるのか。それが先輩。推しがどんどん解釈違いの行動をしているのに自分に対して甘い言葉をかけてくれるから気持ちが離れられない。そしてかのんが先輩を好きになる度に世界もどんどんヤバくなっていって…。

SFがセカイ系の体を作り出し物語としてスパイスに働いています。SF好きで読むとなんだこれとなるものの、ラブコメ好きとしては今まで見たこと感じたことのないスパイスの味にとても感動しました。そして最終回の終わり方も含め、全5巻にうまくまとまった内容で完成度としては随一です。是非読んでみてください。

 

今日はここまで

ブクログ https://booklog.jp/

ということで本棚にあげくの果てのカノンを追加して、今日の回は終わりにします。

こんな調子で1000字くらいで作品を紹介していくので、よければ正月の暇なときにでも読んでみてください。人を選ぶ作品だけど1話読んで好きだとずっと好きなのは保証するので、とりあえず手に取ってみようね。