『荊棘の道は何処へ』に関しての記事も書きました
こんにちは。恋心ミルフィーユです。
今回は、昨日も書いた通り暁山瑞希について語っていきたいですね!
昨日書いたニーゴユニストの感想はこちら。瑞希からみたまふゆや救済の話などたくさんしてるので、是非読んでね。
ちなみにタイトルからわかるとおり、今回の記事はかなり私自身のフィルターを通して語った記事となっています。考察…というかただの私の妄言ですのでそこのとこご注意ください!
瑞希に関しては、私が軽く説明するよりもプロセカ実際にやった方がいいよね。見ての通り可愛いことが大好きなかわいい子です!はぁ。可愛い。
ですが、瑞希に関してはエリア会話やライブの掛け合いではわからない、背負い悩んでいるものがあります。これに関してはニーゴのユニストを読まないと何もわからないこととなっています。本記事ではその内容について語っていきたいと思います。
瑞希の抱えているもの
瑞希に関して語るうえで、まず一言いわせてください。
瑞希のことを「女装」や「男の娘」というのは本当にやめてください!
これに関しては、本当に繊細な問題なので、説明する前にまず私自身のことを書かせてもらいます。
私はMtXトランスジェンダーで、現在女性ホルモンによる投薬治療を行っています。LGBTの括りで言うと、BとTですね。
あんま言いたくないことだしリアルでもツイッター上とかでも濁してきたしずっと隠してきたことなんだけど、瑞希のことを深く知ってもらうためにちょっと自分語りにお付き合いください。
MtXというのは、Male to Xgenderの略称であり、生物学的には男性ではあるが、性自認が男性でも女性でもない人(Xジェンダー)のことを指します。
このXジェンダーというのは説明もすごく大変で、同じXジェンダーの中でも「男性でも女性でも無い人」「男性でも女性でもある人」「中性である人」「日によってグラデーションのように性別が変わる人」など、一括りにはできない多様性があります。私はこの中だと「男性でも女性でもない」に当てはまるのかな?正直自分でも分類や言語化できずに悩んでいます。
女性ホルモンによる投薬治療というのは、読んで字のごとく、女性ホルモンを外部から投与することにより、身体を女性化させることです。
そう聞くとただ注射するだけで女性になれる軽いものに聞こえますが、実際にはかなりのリスクの伴った行為です。意図的にホルモンバランスを崩壊させるわけですから、注射後や投薬中断した際は体調不良や更年期障害のような症状が出ます。頭痛や、倦怠感や、鬱など。私も最初は体調崩したけど、なんか今はもう慣れちゃった。むしろ何も感じなさすぎて最近は本当に投与されてるのか不安なレベルなんだけど…。
あとは生殖機能の低下ですね。調べてはないですけど、多分もう私の精子は死滅してます。これは投与をやめたところで二度と戻らないので、子孫は残りません。まあ私が父親になるってこと自体が、考えただけでも気持ち悪い解釈違いなので何も問題ないですね!
そして最後に、値段が高い…。保険適用外だからね、つらい。
でも、そこまでリスクを背負っても今の自分を変えたいくらい、自分自身を呪っています。
ここまで語ってきた通り、私自身性的マイノリティーであり、これまで社会に散々殺されてきました。
「~くん」と呼ばれるのが嫌いです。くん付けで呼ばれるたび、相手から私の存在を否定されているような気分になって、勝手に自己嫌悪に陥ります。でもそんなこと「止めて」ということも出来ないし、我慢する以外の選択肢はないんですよね…。
性別欄で〇をつけるのが死ぬほど嫌です。つけなければいけない場面に直面するたび、自分自身を殺します。そうしなければ社会から殺されるから。
かわいい服が大好きです。フリフリの服とか見るたびにテンション上がるし、レディースファッションも様々あり見てて楽しいし着たいです。でも高い身長が、面長の顔が、低い声が、骨格が、「お前は男だ」という事実を圧しつけてきて、そのたびに辛く死にたくなります。
髪の毛を切れません。これを男性らしい長さにすると、私自身が私のすべてを否定してしまうような気がするから。最後の砦です。といっても、絵名くらいの長さなんだけどね。ボブカット可愛くて好き。
私は周りに対してカミングアウトできていません。本当はもっと自分らしく生きたいけど、社会がそれを認めてくれない、いちいち説明しても時間が足りないし、なにより理解してくれるかがわからない。そのような苦悩にいつも苦しめられています。
トランスジェンダー、性的マイノリティの人は、多かれ少なかれ同じような感情を持っていると思います。もちろん瑞希だってマイノリティという立場のため、似たような悩みは抱えています。完全に自分から見た世界なので人それぞれ悩みは違いますが、こういう些細なことで毎日のように自分を殺しています。
でも、瑞希はそんな中でも精一杯自分を表現しようと努力しています。
瑞希の努力
瑞希は本当にすごいです!自分の信じる「可愛い」や「好き」を表現して、その根っこが壊れないようにきっちりとした自分の芯を持って。
この「ボクがこの格好、好きだからです。」って、きちんとこの思いを言葉に出せるのが、本当に強い。瑞希の信じること、やりたいこと、好きなこと、それに対し自分自身を信じて行動できるのは、私には無かった勇気です!
瑞希がここまで自分を表現できるようになるまで、ものすごい不安やしんどさがあったはずでしょう。それこそ、心が折れることも。でも、それでも必死に努力をし、今の自分を作り出し、説得力を与えたというのは本当に尊敬できます!そんな瑞希が大好き!!
だからこそ、そのような瑞希の努力や思いを「女装」や「男の娘」という言葉で片づけてほしくありません!!
瑞希は必死に自分を作り出しました。性別なんてものに捕らわれない自分を。それなのに「女装」や「男の娘」と、何も考えず肉体的性別に依存し呼ぶのは、完全に瑞希に対する否定です。お前はそうなんだぞと暗に伝え、傷つけるだけです。
「女装」とは、男性にしか使わない言葉です。ある意味、最も男らしいとされる行為、言葉です。「男の娘」だってそう。言葉のみでその人の性別を固定してしまう言葉です。もちろん「くん」付け*1や「彼」呼びについても同様です。そのような特別扱いをすること、瑞希を特別なジャンルに当てはめ括ることが、特別扱いをされたくない瑞希の気持ちをどれだけ傷つけるのか考えてもらいたいです。
正確に語られてはいないので、瑞希がFなのかXなのかわからない部分はありますが、*2人とは違うということ、他の人に理解してもらえない「マイノリティー」であることが瑞希の根本的な問題ではあると思います。トランスジェンダーは1つの可能性でしかありませんが、それでも瑞希に対して必要な言葉は何か、不要な言葉は何か、それを考えていくことが大切なのかなと思います。
瑞希だって苦しんでいます。周りから強制されること、合わせなくてはいけないということに。いくら自分自身を信じても、周りが理解してくれないと何も進まないということを。それはストーリーを読んでいれば嫌というほど感じてしまいます。
瑞希だって人間だし、辛いときは辛い。特に瑞希は愛想笑いが結構得意なように感じるので、多分今までも苦労し、妥協してきた部分は多いんじゃないかなぁと。完全に憶測で話してますが。
それでも瑞希は笑顔を絶やしません。自分のしんどい姿を、他人には、絵名には絶対に見せません。だってそういうのを見せると自分自身が楽しめなくなるから。
瑞希が瑞希であるために、自分の「大好き」を信じているからこそ今の自分があるわけで。ほんと自分が楽しむための場を精一杯作ってるのが勝手に腐ってる私と違ってすごいなぁって。顔で笑って心で泣いて、でも自分を信じて今を精一杯生きている。そういう点が瑞希の魅力なんじゃないかなぁ?って思います。
精一杯向き合ってください
瑞希の気持ちに関しては「ボクは、ボクでいたいだけなのに」という台詞に全てが込められていると思います。性別がどうとか、服装がどうとかは関係ない。瑞希は瑞希です。
正直、瑞希は瑞希だからで話を終わらせるのが一番です。私としても、そのように認めてもらえることが一番大切であり一番重要だと思います。ですがプロセカは、個人の問題よりも周囲との問題の方が重要なテーマとして取り上げられています。『マイノリティ』というのは『マジョリティ』があるからこそ生まれてしまう、モブクラスメイトのようなマジョリティに属する周囲の人との関係も深く考えていく必要があると私は感じます!
実際、この問題は瑞希だけのものではありません。私も含めマイノリティ側に属し悩んでいる人は世の中に沢山います。LGBT等セクシャルマイノリティに部類される人は全体に5%いるとされ、それってつまり学校のクラスに1,2人くらいいる計算だからね。「いやいや〇〇年生きてきたけどそういう人見たことないし?はい論破」って考える人もいるかもしれないけど、それはその人が必死に隠しているからです。社会からはじき出されないように、自分を精一杯殺して。
なので、瑞希と、そして同じように悩んでいる方と、精一杯向き合ってください!!
ツイッターを見ていると、「瑞希を傷つけたくないので難しいこと考えるのを止めたい」という人もいましたが、それは逆です!考えてください!向き合ってください!でなければ何も始まりません。
そのような考えの放棄は、瑞希の求める『理解』ではなく、『慣れ』です。
考えないことは簡単です。表面上だけ知ったことにして、深く掘り下げることをやめる。たしかに誰も傷つかず、一番平和的な答えに見えます。ですが、それはただの逃げであって、『理解』とは真逆だと私は考えます。
是非考えてください。そして、考えたうえでそれでも「やっぱり無理」だと思ったら、それはそれでもいいです。だって考えを強制することは誰にもできませんから。
一番危険なのは考えを強制することですからね。私だってこの問題は全人類に理解してもらいたいと思っているけど、それを強いるのは、私の嫌いな「何も知らず否定する人」と同じになってしまうから。
きちんと考え、きちんと向かい合って、それでもわからなかったら議論して、そうやって互いに傷つきながら一歩一歩進んでいくことが、相互理解には大切だと思います。
絵名、いつかその日が来たら、互いに傷ついてでも、きちんと瑞希に向かい合ってあげてね…。ちょっと不安だけど、絵名なら大丈夫だよ…。きちんと受け止めれるって信じてるから…。
ちなみに、肌で感じてる人は多いと思いますが。LGBTの問題はどんどん世間に浸透していっています。昔はLGBTと4つの区分しかなかったセクシャルマイノリティも、今じゃ「LGBTQIA+」とまで広がり、更に海外では「LGBTTIQQ2SA」とまで言われています。ここまでくると私もググらなきゃよくわからん!
もちろん、それぞれの中にもたくさんの分類があります。レズビアンだってゲイだって人それぞれだし、決してこのようなアルファベット1文字だけで表していいものではないということは覚えておいてください。
精神科の先生に言われた「昔は4つだけだったのに今じゃ無数にあるから本当に大変」という言葉が今でも忘れられません。それだけ、自分を表現できる可能性が広がったということですね!いい事です!先生には気の毒ですが。
これからも、瑞希の気持ちを尊重して、一緒に悩み、一緒に考え、一緒に向き合っていきたいと思います。立場が似ているためわかる部分もあると勝手におもってますが、あくまでも私は私、瑞希は瑞希ですからね。
今回の話も結構自分と重ねてる部分があるので的外れな発言もあるかもしれませんが、是非そういう人もいるんだということを忘れないでください。私も瑞希と向き合うことを忘れず、考え、向かい合っていきたいと思います。
追記
今回の記事に関してツイッターで賛否様々な意見、感想をいただきましたので、別枠で補足させていただきました。
質問や反論に対する回答、そして今回の記事で伝わりにくかった点や、私の書き方が悪かったことについての反省点など様々なことについて触れています。そしたらなぜか当記事より文字数が多くなっちゃった。本当になんで?
また、こちらの記事にいただいたコメントに関しては、全て補足記事にて回答させていただきます!
追記(2024/10/29)
瑞希の核心に触れるイベントシナリオが先日公開されました。そのイベントの感想自体はトップに置いている記事で触れていますが、追記としてこちらに書かせていただきます。
現在、そんな瑞希に対し様々な意見や感想、考察などがたくさん出てきています。瑞希に共感する者、現状を俯瞰した考察をする者、そして現在のLGBT等マイノリティーが抱える問題と重ね合わせ考えてくれる者など、私自身読んでいてかなり勉強になるものばかりでとても嬉しいです。
ですが中には瑞希の「男性性」を強調する、瑞希が身体的男性ということだけに注目した感想や二次創作も数多くみられるようになりました。ですのでここではっきりと言わせていただきます。
瑞希の男性性を肯定することは、その人に死ねと言ってるということであり、人格を、人間を、全て否定しているということを。
奏に「音楽で親を殺せてよかった」と言わせる事と、
まふゆに「母親の言っていることは全部正しい」と思わせる事と、
絵名に「絵なんてなんの価値もない」と失望させ完全に筆を折らせる事と、
同義だということを。
ここまで読んでくれているあなたなら、きっとこれは間違っていると気づいてくれていると思います。改めて、暁山瑞希という人について、向き合ってもらえると助かります。